料亭のおもてなし
おもてなしの心
おもてなしの心

料亭と言う響から連想される「贅を尽くした雅やかで高貴な処」と評されることが多々あります。実際はそれほど敷居は高くありません。お客様のご予算、内容に応じてご利用いただけるのも料亭の仕組みです。風情を重んじ、旬の素材で季節を食彩共に愛でる料理と落ち着きのある部屋、さりげなく置かれている調度、床の間、おもてなしの心。全ての纏まりが醸し出す無形の演出、日本の食文化,、伝統を受け継ぎ次世代に継承する事が私共の使命と考えております。

門口を通ると広がる和の空間、粋と寂の趣を控えめにしつらえた佇まい、お客様の心へさりげない癒しへのいざない。これから繰り広げられようとする宴へのときめきをお部屋にお通しするまでも家人の立ち居振る舞いの淑やかさ、言葉遣い、手の動き、目くばり、気くばり、その一つ一つに「もてなしの心」を感じていただけることでしょう。そして、お料理。季節、厳選された素材、彩り、調理の技、器との競演、ここで大事なもてなしをする家人の気くばり、美味しいお料理をより美味しくお召し上がり頂くための「間」※タイミング。

ご酒をお召し歓談をされているお客さまへ、どの「間」で次のお料理をお出しするかも「もてなしの心」なのです。宴が終わりお客様をお見送りするまでの心の緊張。 「また、寄らせてもらうよ」のお言葉。感謝と緊張の糸がとける瞬間です。時代は変われど歴史ある日本文化、伝統、作法を重んじた料亭の文化を末永く継承すると共に、より一層、「もてなしの心」を求道、邁進いたします。

お座敷と芸者さん
お座敷と芸者さん

江戸時代前期、松尾芭蕉の登場により江戸中期以降、俳諧、連歌などの会席が料理茶屋で開かれるようになり、舞踊、邦楽で宴席に興を添え、客をもてなす女性の職業として芸妓の形が出来ました。時代が替わり会席の形も色々と変化をしてきましたが、料亭のお座敷と芸妓、伝統芸能の取り合わせは今の時代でも遺っています。

日本の伝統芸能は長い歴史と共に様々な唄、器楽、舞、演者、流儀、流派、と広域でとても語り尽くすことが出来ません。花街向島では現在も技術の伝承者と共に継承されている奥深い文化である伝統芸能を遺すためにも、芸妓衆の習い事として日々お稽古を各分野のお師匠さんに付けていただいております。

邦楽を介して学ぶ作法も重要ですが「呼吸」「間」「情緒」そして「粋」を音曲の調べと共に情感で表現する奥深い日本の伝統芸能を身につけなければ一流の芸妓にはなれない重要な教養の一つでもあります。 現在、邦楽の範囲としては浄瑠璃(義太夫、常磐津、清元)、器楽(三味線、笛、小鼓、大鼓、大皷※おおかわ、締太鼓)が主な演練演目としてあり、一つを昇華するにも大きな時間を費やします。自己の教養を高めることが客をもてなす才色兼備の芸妓に育っていくのです。

芸妓の身のこなしや立ち居振る舞いは邦舞、邦楽の基礎をしっかりとしたお稽古を続け身につけることが感性の現れとなります。現在、向島花街では日本舞踊として200流派を超える流派の中から「西川流」と「猿若流」のお師匠さんよりお稽古を付けていただいております。

西川流 日本区内には200を超える日本舞踊の流派がありその中でも5大流派と言われる中の一つに数えられているのが初代創始は江戸三座の櫓付振付師としても活躍し、三百有余年の歴史を有し現在も多くの門弟を世に送り出しています。

猿若流 江戸三座に入り、江戸歌舞伎の始祖と伝えられている。寛永元年(1624年)初代猿若(初代中村勘三郎)により猿若座(後、中村座)の櫓をあげ、現在まで約400年の歴史と伝統を継承し日本舞踊の発展に努めています。

お座敷と芸者さん
お座敷の遊び

●金比羅船々
芸妓と向い合い善の上に椀のような道具を真ん中に「金比羅ふねふね・・・」を歌いながらジャンケンの形で椀のような物を片方が取ったらグー、そのままならパーを出す。間違えたら負けの反射神経が問われるゲーム。

●投扇興
流派もある伝統的対戦ゲームで、桐箱の台座にたてられた「蝶」と呼ばれる的へ扇を投擲して落ちたときの形により得点を算出し点数を競う。

●とらとら
体を使ったジャンケンで和唐内(やりでつく格好)、虎(よつんばい)、お婆さん(杖をつく格好)の組み合わせで、勝敗は和唐内は虎には強いがお婆さんには弱い。虎は、お婆さんには強いが和唐内に弱い。お婆さんは、和唐内に強いが虎には弱い。

●おまわりさん
芸妓と2人でジャンケンをして勝った方は太鼓をたたき、負けた方は1回転してまたジャンケンをするゲーム。

お食事だけでもご予約いただき気軽にご利用頂けるのも花街向島の魅力です。

●「料亭のご案内」よりお選び頂きご予約をお申し受けさせていただきます。

◇ご予約時のご参考になれば

・ご利用日のご予約は余裕を持ってお申し込み下さい。
・ご利用人数(男女別の内訳もお伝えください)
・ご宴席の内容(接待・お祝い・クラス会・忘年会・新年会・等々)
・お料理
・お飲物
・お土産のご用意は必要ですか?
・お車のお手配は必要ですか?
・芸妓はお呼びしますか?
・ご予算又はおまかせにしますか?

●料亭の内訳(基本、料亭により差がある場合もありますのでおたずね下さい)

・お料理代(お客様人数分)
・お飲物代(お客様人数分)
・席料又はサービス料(※お尋ね下さい。)
・芸妓花代(呼んだ場合:芸妓人数×花代)
・消費税(お料理代+お飲物代+席料又はサービス料=合計の5%)
・お会計(総合計の金額になります)

●お支払

・会費、予算があらかじめ決まっている場合は、その場で精算が出来ますが芸妓、祝儀、等の場合は請求書で後日精算となる事があります。
・クレジットカードのご利用はあらかじめ料亭にてご確認下さい。

見番とは

俗称:見番  正式名:向嶋墨堤組合
花街の成り立ちからご説明、向島に料亭街の集合地域として繁栄し歴史も古くからの痕跡を残している。ここでは終戦後から現在の見番 (向嶋墨堤組合)になるまでをご説明させていただきます。

向島は隅田川の東岸に位置しており、春は桜、夏は花火、秋は向島百花園、冬は隅田川七福神巡りと四季折々の情景と風情の趣を醸す地域故に人々の往来も多くなり、花街の成り立ちを要する置屋、料理屋、待合の三業種の営業が許可された三業地と呼ばれるようになりました。

昭和61年11月15日、芸妓組合、料亭組合、料理店組合が合併し見番(向嶋墨堤組合)として現在に至っています。主な業務は料亭への芸妓の手配、料亭の予約手配、置屋、他花街の統括管理が主な業務、また、芸妓の育成、お稽古、等々、伝統文化継承の貢献も行ってる花街では重要な組織が見番です。

置屋とは

自店に登録されている芸妓を料亭へ斡旋したり新人芸妓を育てたりと花街には無くてはならない業態。花街向島では50件近くの置屋があります。