芸妓

おもてなしを極める生き方
「芸妓」

芸妓衆は、宴席において舞踊や演奏などの芸能を披露し、客人をもてなす女性たちのことです。「芸者」とも呼ばれます。

江戸時代での遊郭では男性が、花魁(遊女)を迎えるため、幇間(太鼓持ち)や芸妓衆を呼び宴を催すのが習わしでしたが、花魁と芸妓の役割は明確に分かれており、「色を売る遊女」と「芸を売る芸妓」は全く別の職種として区別されていました。

「芸は売っても身は売らぬ」「左褄を取る」という言葉があるように、芸妓衆が自分達の職業に誇りを持っていたことが分かります。

立方(たちかた)

舞踊を担当する芸妓衆のこと。花街それぞれに決まった流派の日本舞踊をお師匠さんから仕込まれます。立方ひとりが持つ舞踊のレパートリーは、定番からその人独自の演目まで、数十曲にも及びます。

地方(じかた)

三味線の演奏や唄を担当する芸妓衆のこと。唄をうたい、立方の舞踊を引き立てます。地方は、かなりの年季と才能、技術を必要とするので、一朝一夕にはなれません。

半玉(はんぎょく)

一人前の芸妓と認められる前の、修行期間の女性たちのこと。
お稽古や実践的修行を積みながら、芸妓をめざします。昔は、芸妓週の半分の金額でお座敷に呼ぶことができたことが由来となるそうです。
※地域によって「舞妓」「雛妓」「お酌」とも呼ばれます。