お座敷の基本

お座敷と言っても
何をどうしたら良いのか
わからないことも多く、
初心者の方にとっては
ハードルが高いと感じられるかもしれません。
しかし、向島花街は多くの料亭で、
初めてでも
芸妓衆とお座敷を楽しむことができます。

お座敷の流れ

基本的に、お座敷は以下の順番で進行します。
どのような流れなのかが分かると実際のお座敷も緊張感なく楽しめます。
お座敷に出向く前にぜひご一読ください。

  • 01スタート

    参加する方が全員揃ってのスタートとなります。
    芸妓衆がお座敷に居られる時間が決まっています。遅れてしまうと、その分芸妓衆と楽しく過ごせる時間が減ってしまうため、要注意です。

  • 02芸妓衆との
    歓談

    会席料理を頂きながら、芸妓衆とお酒を楽しみます。芸妓衆がお酌をしてくれるので、芸妓衆にも「どうぞ」と、勧めましょう。芸妓衆は宴席の場では食事はしません。

  • 03お座敷踊り

    踊りが始まったら、談笑やお食事は一時中断です。時季やお客様にあわせて行われる芸妓衆の唄や踊りを楽しみましょう。

  • 04お座敷遊び

    芸妓衆たちと一緒にお座敷遊びを楽しみましょう。遊び方が分からなくても、芸妓衆が遊び方を教えてくれます。

  • 05お開き

    一旦は終わりますが、もし時間が足りなければ芸妓衆を協力店へお誘いしましょう。次のお座敷が入っている場合もありますが、なければ時間を延長することもできます。

お座敷遊び

宴会にて、場を盛り上げるため芸妓衆と一緒にするゲームのことです。
お座敷にあるものを使ってゲームをするのも特徴で、誰もができる簡単なゲーム内容になっています。
代表的な3つの遊びをご紹介します。

  • 金毘羅船々

    芸妓とお客様が向かい合わせに座り、2人の間に台を置き、台の上に腕を置きます。「金毘羅時々」の歌にあわせ、2人の間の腕の上に、交互に手を出しては引っ込めます。相手が腕をとったら、グー。そのままの時は、パー。テンポを速めて、間違った人が負けとなります。

  • とらとら

    芸妓とお客様の間に、屏風などをお互いの姿が見えなくなるように置きます。「とらとら」の唄にあわせて踊り、唄の最後で、虎と和藤内(加藤清正)と老婆(清正の母)のいずれかのジェスチャーをして勝負。虎は和藤内に負け、和藤内は老婆に負け、老婆は虎に負けます。

  • おまわりさん

    芸妓とお客様の間に、太鼓を置きます。太鼓の両側に立った2人が「おまわりさんよいやさ」の歌に合わせて、じゃんけんをします。勝った方は太鼓を2回叩き、負けた方はその場で2回転するのがルール。どんどん歌のスピードを上げて、間違った人が負けです。

特別な花街ことば

花柳界界には数多くの独特なことばが残っています。
地域によっても少しずつ異なり、各地域ごとに独特な世界を作り出しています。
花街で遊ぶために知っておきたい最低限のことばをご紹介します。

  • お座敷をつける

    宴席に入っている芸妓がお座敷で
    季節の踊りや小唄振りなどを披露すること。
    「お座つき」とも言います。

  • 一本 (いっぽん)

    一人前の大人だと認められた芸妓のこと。
    「半玉」からの卒業を意味します。

  • 遠出 (とおで)

    芸妓が所属している花街以外(東京都外含む)の、
    お座敷や船遊び・行楽地への同行などをすること。

  • 出先 (でさき)

    その日芸妓衆が呼ばれている先の料亭のこと。
    芸妓衆は「今日のお出先さん」などと言います。

  • 花代 (はなだい)、玉代 (ぎょくだい)

    芸妓を呼んで宴席を設ける場合の代金のこと。
    花代とは別に芸妓の技芸に対しては
    ご祝儀をお渡しします。

  • 馴染み (なじみ)

    お座敷に3回以上来てくださったお客様を
    「馴染み」と言います。
    2回目のお客様は「裏を返す」と言います。

お座敷で必要なもの

「ご祝儀」をご用意ください。
お座敷での「ご祝儀」とは、海外で言うチップのようなものです。
お客様が芸妓衆に気持ちを表すものとして渡す心付けです。
芸妓衆に直接わたしたり、女将にまとめて渡すこともできます。